2009年06月30日

正社員、パート、嘱託…従業員の区分はありますか?

似顔絵全身p.pngこんにちは、福井事務所の今井です。 

 

突然ですが、

・正社員・契約社員・パートタイマー・アルバイト・嘱託社員・・・

の違いって何でしょう?

 

何となくですが、

◆正社員 ≒ 月給制、社会保険完備、雇用期間定めなし

◆契約社員 ≒ 月給制、フルタイムで働くが雇用期間の定めがある

◆パートタイマー ≒ 時給または日給制、雇用期間は定めてないが1日の所定時間が短い

◆アルバイト ≒ 時給または日給制、数か月などの短期の雇用期間

◆嘱託社員 ≒ 定年後に再雇用された社員、1年ごとの契約更新

 

・・・大体こんなイメージではないでしょうか? 

上記は私が個人的に持っているイメージですが、

実は法律にもしっかりとした定義はありません。

 

ちなみに「パートタイム労働法」においての「パート労働者」

「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(正社員)の

1週間の所定労働時間に 比べて短い労働者」

とされており、正社員より少しでも所定時間が短い者は

契約社員であろうがアルバイトであろうが、全てパート労働者(短時間労働者)

と定義するのみです。

 

実際の中小企業では、ほぼフルタイムで来ている事務の女性を

「パートさん」と呼んだり

正社員と同じ勤務時間で雇用期間の定めもないのに、

まだ1人前でないから「契約社員」と呼んでいることもあります。

 

また、よくあるパターンとして、実際の勤務形態は関係なく

・社会保険に加入している=正社員

・社会保険に加入していない=パート

という分類もよく聞きます。

 

そしてこれらの分類は決して間違いではありません。

法律で定めがない以上、それぞれの定義は会社側の基準に委ねられているといえます。

 

正社員以外の従業員がいる場合は、トラブル防止のためにも、

会社独自に従業員区分の定義を客観的に定めて

それぞれの労働条件に応じた規定を作成する必要があります。

 

例えば、多くの中小企業では正社員以外には退職金を支払わない

と決めていると思いますが、規定や従業員の定義が曖昧であったために

退職金支払を命じられた事例があります

 

大興設備開発事件(大阪高裁平成9年10月30日判決)

(概要)
正社員の他に、高齢の従業員とパートタイムの従業員を雇用している会社で、

60歳を超えて採用され、短時間勤務をしていた原告が退職金を請求した事案です。

採用時に正社員の定年の60歳を超え、正社員に比べて短時間の勤務形態で

日給制で採用したが、当時この会社では正社員用の就業規則しか作成しておらず

約7年後の退職に当たり、この従業員が正社員の就業規則に

従って計算した退職金(約104万円)を請求したものです。

 

結果としては、就業規則の記載上、適用対象を正社員と高齢者に分けて規定しておらず、

規定の内容も「勤続3年未満の者には退職金を支給しない」との定め以外に

適用排除規定がなく、 また高齢者には適用しないという定めはないのであるから、

高齢者にも適用されるとして 高齢者の退職金請求(半額)が認められました

 

・・・こういった事例から学ぶことは、

パートタイマー就業規則や嘱託規程等々、従業員種類ごとに就業規則を作成し、

各々の労働条件(有給、休職、賃金、退職金、福利厚生etc)を

誰の目にも分かり易く定める、ということです。

 

また具体的な規則の作成や意義については次回以降でお話ししたいと思います。