2009年07月04日

試用期間を設けるメリット

nigaoe.jpg こんにちは。富山事務所の蓑輪です。

  

 今日は「試用期間を設けるメリット」についてお話します。

  

 試用期間というのは、新規採用した正社員の適性を判断する期間です。

 

 どの企業も採用を決定するまでの間に、書類選考や面接、筆記試験、適性検査など厳格な選考審査を行います。そうして入社した社員がすべて優秀な人であれば、何ら問題はありません。しかし、採用担当者が選考段階では見抜けなかった新入社員の問題点が、入社後に発覚することも珍しくありません。例えば、こんな感じです。

 

チェック.gif 入社前から抱えていた重大な健康問題を隠して入社した

チェック.gif 上司の言うことを聞かないばかりか、周りの同僚に迷惑ばかりかけている

チェック.gif 学歴や職歴を詐称していた 

チェック.gif 時間にルーズで遅刻、早退、無断欠勤を繰り返す など

 

 このような問題点が入社間もない時期に発覚した場合、社長は「こんな人を会社に置いておきたくない」と考えるかもしれません。そこで、最終的には、会社側から「辞めてくれ」と伝えなければいけないケースもあるでしょう。

 

 しかし、このようなケースであっても、会社側から社員を辞めさせるのは「解雇」に当たりますので、次のようなルールを守らなければいけません。

  1. 30日以上前に予告して解雇する又は、30日以上分の平均賃金を支払い即時解雇する
  2. 解雇に至る合理的な理由がある

  

 実は、試用期間を設けておけば、1,2のような解雇に関する法的規制が緩和されるのです。つまり、試用期間中の解雇については、次のような規制緩和が行われます。

 

チェック.gif 入社後2週間以内の解雇であれば、1の手続きなしに即時解雇可能

チェック.gif 本採用後の正社員ほど厳格な解雇理由が求められない

 

 例えば、本採用後の正社員であれば、「遅刻及び早退が多い」という理由だけでは、直ちに解雇はできないでしょう。しかし、試用期間中の社員に関しては、遅刻及び早退の回数などを鑑み、やむを得ないと判断される場合は、解雇もやむを得ないということになります。

 

 ところで、話は少しそれますが、試用期間中は社会保険や労働保険に加入させなくてもよいと誤解している経営者様が時々いらっしゃいます。条件さえ満たしていれば、試用期間中であっても、社会保険・労働保険への加入が必要になりますので、悪しからず・・・。

 

 では、試用期間はどうやって設定すればいいのでしょうか?

 

 ズバリ、就業規則に明記し、社員に周知徹底して初めて「試用期間」が有効なものになります。

 なお、試用期間の長さですが、多くの企業では「3ヵ月」又は「6ヵ月」とするケースが多いです。ただし、試用期間の長さについては、不当に長くしたり、何度も延長したりすることは違法と判断されるケースがあります。なぜなら、試用期間中は社員の身分が不安定になるため、長期の試用期間はNGと考えられています(有名な最高裁判例としてブラザー事件があります)。