2009年06月15日

就業規則の不備で助成金が受けられなくなる?

似顔絵全身p.pngこんにちは、福井事務所の今井です。 

 

今日は行政機関から会社に支給される「助成金」が

就業規則の不備によって受けられないこともある事例についてご説明します。

元々、厚生労働省管轄の助成金については、財源を雇用保険料としていることから、

主に新たな雇用の創出や、雇用環境の改善に努める事業主に対して支給されます。

 

つまり、社員の労働条件等について、

労働法令に違反せず就業規則等で整備してあることが必須条件

となっている助成金が少なくありません。

 

平成20年末頃から急激に申請が増えている会社休業に関する助成金

「雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)」についても、

就業規則等により、休業手当(6割以上)等を労働法令に違反することなく

定めてあることが必要です。

 

その他、弊事務所で申請の多い下記の助成金などについても必須条件です。

・中小企業子育て支援助成金・・・育児休業規程の整備

・パートタイマー均衡待遇推進助成金・・・パートタイマー就業規則などの整備

・定年引上げ等奨励金・・・就業規則等の「定年」条項等の整備

他多数

 

<就業規則で90万円損をしたA社の事例>

従業員10人の中小企業A社では平成21年に60歳に到達する社員が

出たことから、従来の定年60歳(再雇用制度なし)の就業規則を、

定年65歳(再雇用制度70歳まで)に変更し、労働基準監督署に届出ました。

 

同じく従業員10人の中小企業B社(60歳の社員あり)でも、

従来の定年60歳(再雇用制度63歳まで)の就業規則を、

同様に定年65歳(再雇用制度70歳まで)に変更して労働基準監督署に届出ました。

 

同じ制度を導入した両社ですが、A社は、何の助成金も対象にならず、

B社は定年引上げ等奨励金90万円の対象となります(詳細要件は省略)

 

A社とB社の違いは、従来の就業規則に、「※高年齢者雇用安定法第8条、第9条」に 

対する違反があったかなかったかの違いのみです。

(※平成21年度は63歳までの継続雇用制度を義務付け)

 

会社がせっかく良い制度を導入しても、法令遵守の就業規則が

作成してなかったことで本来支給されるべき助成金が受け取れなく

なってしまうのは大変もったいない話です。

勿論、「助成金がもらえるから」という理由で無理に社内の組織・制度を

変更するべきではありません。

ただ助成金を受ける際にも就業規則が重視されていることを

認識した上で、常時法令違反がない就業規則を作成することをお勧めします。